肥満が増える事で地球が食料危機に

 イギリスの研究チームが医学誌BMCパブリック・ヘルス(BMC Public Health)に掲載された研究論文で、「もしも人類がアメリカ並みのペースで太り続ければ、将来の地球では今よりも10億人分、食料需要が増えることになる」と警告しています。

 イギリスのロンドン大学衛生熱帯医学大学院の研究チームは、先進国で肥満の人が増え続ければ、限りある地球の資源への大きな脅威となると警鐘を鳴らし、未開発・開発途上国での人口爆発を資源危機の原因とする考えは誤りだと指摘しました。

 論文によれば、全ての国で肥満度指数(BMI)の分布がアメリカ並みとなった場合、人間のバイオマス(生物総量)は5800万トン増加するとしています。これは平均的な体重の人数に換算して億3500万人分の数字です。体重が増えれば、活動時も不活動時でも摂取する食物量は増える事になります。

 論文の共著者イアン・ロバーツ氏は「人々が地球の将来を心配するとき、地球の人口や増加の現状はどうなっているのだろうと考え、貧しい国の人たちが子どもを産みすぎるせいだと、早急に思いがちだ。だが、食料を必要とする人の頭数だけを数え、生命を維持する肉体の質量に目をやらないのは間違っている」と述べています。「体の質量で考えれば、富裕国の太った人たちにも責任があることがわかるはずだ。これはアフリカにおける家族計画の問題だけではない」と指摘しています。

 研究チームによれば、世界人口における北米人口が占める割合は6%に過ぎませんが、世界の肥満に占める割合は34%に上りと言う事です。一方、世界人口の61%を占めるアジアは世界の肥満の割合は13%にすぎません。
 人間のバイオマス1トン分は、北米では成人12人分、アジアでは17人分に相当する計算になります。

 北米では人口の74%は肥満で、欧州の56%、アジアの24%、アフリカの29%と比較して極めて高い割合となっています。