強迫性障害の治療

 強迫性障害の治療は行動療法や認知行動療法、抗うつ薬を用いた薬物療法が有効です。行動療法ではエクスポージャーと儀式妨害を組み合わせた、ERP(Exposure and Ritual Prevention)が用いられます。

 エクスポージャーとは、恐れている不安や不快感が発生する状況に自分を意図的にさらすもので、儀式妨害とは、不安や不快感が発生しても、それに対する強迫行為をとらせないという手法です。これらは患者の不安や不快の段階に応じて実施されます。行動療法は単独でも用いることができますが、強迫観念が強い場合、薬物療法導入後に行動療法を行う方が成功体験が得られ易い事が知られています。

 嫌な単語が繰り返されるタイプの強迫観念のみの場合は行動療法が行いにくいため、強迫行為よりも治療が困難となります。最近ではこのタイプも、強迫観念の内容を現実的に解釈しなおしたり、強迫観念を回避したり阻止したりせずそのままにするといった治療方法が有効である事が知られてきました。

 薬物療法としてセロトニン系に作用する抗うつ薬は、強迫観念を抑える事が知られており、現在の日本では選択的セロトニン再取り込み阻害薬 (SSRI) である塩酸パロキセチン、マレイン酸フルボキサミン、もしくは三環系抗うつ薬である塩酸クロミプラミンなどが用いられます。

 また、アリゾナ大学の精神科医・Francisco A. Moreno氏等が実施した小規模臨床試験の結果、マジックマッシュルーム(幻覚誘発きのこ)の成分であるサイロシビンが重症の強迫性障害に有用であると判りました。サイロシビン服用によって、試験に参加した9人の強迫性障害の症状がおよそ4~24時間にわたって完全に消失しました。
 サイロシビンは一般使用が禁止されていますが、医学研究で使用することは可能です。


心臓病の3大危険因子の1つ

ある程度、年齢が行くと「血圧が高いですね」と言われても「まあ年だから」程度にしか考えないかも知れません。
しかし、高血圧のもう1つの名前はサイレント・キラー。静かに忍び寄り、時には一撃で命を奪う恐ろしい病気なのです。他の生活習慣病と同様、自覚症状がないため、かなり深刻な事態になるまで中々本人は気づかない場合が多いのです。

血圧とは、血液が流れる時、血管の壁にかかる圧力の事です。それがずっと高いまま続き、血管が常に強い力で押され続ければ、当然血管は弱ってしまいます。しなやかさが失われ硬くなったり(動脈硬化)、血管の内側が狭くなり中性脂肪やコレステロールがたまりやすくなる。すると更に血圧は上昇してしまう悪循環で、益々血管がボロボロになってしまうのが高血圧なのです。そして、一度ボロボロになってしまった血管は、そう簡単には治らりません。

平成10年の厚生省のデータによれば、年間の高血圧の患者数は770万人で、それによる死者は6700人にも及ぶとされています。
高血圧は動脈硬化になりやすく、心臓疾患(狭心症、心筋梗塞、心不全)や 脳卒中(脳出血、脳梗塞)、腎臓病などにかかりやすくなります。また、肥満、糖尿病、高脂血症を併発する事で、更に高血圧を悪化させるのです。

高血圧症は特に、心臓疾患(狭心症や心筋梗塞)を発症するケースが多く、心臓病の3大危険因子の1つとされています。高血圧の人は健康な人に比べて、心臓病を発症する確率が3倍も高くなります。
また、日本人の死因のうち、がんに次いで多いのが脳血管疾患と心臓病ですが、これらはいずれも高血圧によってもたらされたもの。2つを合わせると31%で、28.5%のがんよりも多くなります。そう考えると高血圧は非常に怖い病気と言えます。


1日5.7皿分の野菜と果物でリスクが21%低下

イギリスのアデンブルック病院のNita G. Forouhi氏らが4月5日付のアメリカの医学誌「Diabetes Care」(電子版)に発表した所によると、果物・野菜を1日平均5.7皿分食べる人は、平均2.1皿分の人に比べて2型糖尿病の発症リスクが21%低下していたそうです(ここで言う一皿とは、野菜80グラムのようです)。

Forouhi氏らは、計117種類(果物58種類、野菜59種類)の7日間の摂取量などを調査し、1日当たりの平均摂取量および品目数からそれぞれについて3つのグループに分類し検討した結果、摂取量では1日平均2.1皿のグループに比べ、3.7皿で27%、5.7皿で21%の糖尿病のリスクが低下した事が示されました。ただし、果物と野菜を個別に検討すると、果物では統計学的に有意なリスク低下が認められませんでしたが、野菜では3.7皿で9%、5.7皿で24%のリスク低下が示されたと言う事です。
その他品目数では、1日平均8.0品目に比べ、12.0品目で12%、16.3品目で39%のリスク低下が示され、品目数が増えると糖尿病のリスクが下がる傾向が確認されました。果物と野菜の個別の検討でも、ともに品目数が増えるとリスクが低下していたそうです。

世界保健機関(WHO)の専門家会議でも、2型糖尿病を含む慢性疾患対策として1日当たり400グラム程度の果物・野菜の摂取を推奨しており、「野菜が健康によい」と言う事が改めて証明された形です。
しかし1日5.7皿で、約450グラム。これだけの野菜を、しかも多くの品目で毎日食べ続けるのは辛そうです。天ぷらや中華料理では油分やカロリーが高くなりそうですし。